サイレントヒルがリゾートタウンとして発展してきた背景には、1850年に開発された“ウィルツ炭鉱”が大きな役割を果たしています。
ウィルツ炭鉱は、サイレントヒルの地層で何世紀にもわたって形成された石灰層から、良質な石灰岩の鉱脈が発見されたことを受けて建設されたものです。
当初は静かな田舎の村だったサイレントヒルですが、ウィルツ鉱山の事業拡大に伴い、多くの労働者が流入したことで人口は急速に増加。炭鉱街として大きく発展を遂げました。
ウィルツ炭鉱のほかにも、トルーカ湖周辺にはいくつかの鉱山の発掘が行われるようになりました。
現在では遊覧船として行き交う大型船舶も、炭鉱業で潤っていたころのサイレントヒルでは、鉱石を運ぶ石炭運搬船として運航されていたのかもしれません。
しかし、1861年の南北戦争勃発後、資源の枯渇とともにサイレントヒルの黄金期は終焉を迎え、ウィルツ炭鉱は閉鎖。周囲の鉱山も閉山されることとなります。
衰退の要因としては、炭鉱内で多発した事故が原因で住民が町を去ったという説もあります。
現在もウィルツ炭鉱をはじめとする、サイレントヒルの鉱山はすべて廃坑となっていますが、サイレントヒルの観光事業の活発化に伴い、廃坑内で幻想的な鍾乳洞を見学するツアーが開催されるなど、トルーカ湖に次ぐ人気の観光スポットとして注目を集めています。
ちなみに、採掘設備や道具を通じて鉱山の歴史を学ぶことができる体験見学ツアーも行われています。
実際に使われていた鉱山列車を改造したライドに乗って巡るツアーはアトラクションとしても人気で、サイレントヒルのユニークな観光スポットのひとつとして注目されています。