サイレントヒルミステリー資料特集 リトル・バロネス号の怪

トルーカ湖が、オカルト好きや好奇心旺盛な人々が訪れる、心霊スポットとしても有名だと知っていましたか?

 

 

サイレントヒルの観光名所であるトルーカ湖。特に湖面を巡る遊覧船クルーズは、観光客に人気のアクティビティでした。

しかし、1918年11月の霧が深く立ち込めたある日のことです。リトル・バロネス号という名の遊覧船が、14名の乗員乗客を乗せたまま突如として湖の上で姿を消してしまったのです。帰着時間を過ぎても戻らず、船の残骸も見つからず、この事件は迷宮入りとなります。

 

リトル・バロネス号の失踪後、この失踪事件はトルーカ湖にまつわる古い伝承と絡み合い、数々の怪談話が生まれました。

サイレントヒルの住民たちにとっては、霧の濃い湖畔で“テディベアを抱いた少女”や“無数の手に引き込まれそうになる”という噂話は、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

 

 

じつは、一説によればこれらの話は、トルーカ湖の底に眠る“数多の死者の怨念が訪れる者を手招く”という古い伝承に基づくとされています。

そして1939年、再び遊覧船が行方不明になる事件が発生しています。今回は驚いたことに、無傷の船が戻ってきたものの、船内には誰一人いなかったそうです。

 

この事件を受けて、人々は1918年のリトル・バロネス号失踪事件と合わせて、ますますトルーカ湖の伝承を恐れるようになり、子どもたちには「霧の日には湖に近づかないように」と言い聞かせるようになったほど。

 

そんなリトル・バロネス号の失踪から75年後のある霧の日に、湖面に突然「古い蒸気船が現れた」という目撃談も数多く残されています。

 

それらの目撃談のなかには、霧の中に消えていく遊覧船の甲板に「母子を見守るような船長の姿が見えた」など、どこか切なさを感じさせるものも。はるか昔から神秘的な雰囲気を湛えてきたトルーカ湖だけに、そうした話には事欠かないのかも。

 

一方でいまどきの若い学生たちの間では、動画配信のネタになることも多いそうですが、トルーカ湖の怪談は、今回紹介したもの以外にも数多く存在します。あなたの知っている話はこの中にありましたか?